ハノイの夏のおすすめスイーツとシン・足休めスポット
- 2025/06/11
- ベトナム観光旅行記

ハノイの6月は、ベトナムを象徴する蓮の花、初夏を告げるバンランや火炎樹の花々で街は華やかで、1年で1番美しい季節です。また生ライチの旬でもあり、スーパーや市場だけでなく、観光客が多く訪れる旧市街の道端でも天秤棒や自転車でライチで赤く熟した生ライチを売る光景も見られます。
一方、この時期の街歩きは暑さとの戦いでもあります。日中は最高気温35℃以上が当たり前。ハノイっ子も日中は外出を控え、夕方、陽が落ちてから家族や友達たちと出かけるのが普通です。そうは言っても、せっかくのハノイ観光。昼間も観光を楽しみたいのは、誰しもが思うところ。今回は街歩きの合間に一服に是非食べて欲しいローカルスイーツとシン・足休めスポットをご紹介します。
目次
1.創業約70年!老舗のアイスクリーム
ホアンキエム湖の南、チャンティエン通りにある1958年創業の老舗アイスクリーム店「ケムチャンティエン」。大きな緑色の看板が特徴的で、市内を走る2階建観光バスのルート上にあることから、1度観光でハノイを訪れたことがある方なら、写真を見て「あのお店!」と思い出す方も多いことでしょう。市内にいくつも支店がありますが、本店は地元ハノイっ子や観光客でいつも混雑しています。表通りに面したカウンターでも購入可能ですが、せっかくですので、お店の奥まで進んでみましょう。
狭い入り口からは想像できなくらい、広く吹き抜けの空間は開放感があります。ベンチも用意されていますので、買ったアイスをその場で食べることもできます。アイスは棒アイス、コーンアイス、おこわアイス(アイスの下に、おこわが入っている)の3種類。棒アイスやコーンアイスには、定番のバニラやチョコだけでなく、タロ芋やドリアンと言った、変わり種のフレイバーも。価格は棒アイス15,000VND(約80円)〜、コーンタイプは17,000VND(約95円)と、そのお値段にも驚きです。定番のバニラ味は、練乳が入っているため、日本のものよりも甘く濃いですが、どこか懐かしさを感じます。店内には、昔のハノイの写真も飾られており、今はもう見ることのできない路面電車が走っていた当時の風景も垣間見ることができます。

大きな緑色の看板と棒アイスのロゴが目印

店の奥は意外と広々。購入したアイスをその場で食べられるよう、ベンチも用意

見た目も味もシンプル。これで15,000VND(約80円)!
店名:Kem Tràng Tiền
住所:35 Tràng Tiền, Hoàn Kiếm, Hà Nội *他にも支店あり
営業時間:7:30〜23:00
2.ベトナム風カスタードプリン“カラメン”
ホアンキエム湖の北側に位置するハンタン通り、旧市街の観光地として有名なドンスアン市場から徒歩10分程度の距離には、通称「プリン通り」と呼ばれ、有名プリン屋が2軒存在します。今回ご紹介するのは「ケムカラメン ズオンホア」。
見るからにローカル感溢れる店内には、決められたテーブルや席がありません。ベトナムの飲食店でよく見かける、赤や緑の背の低いプラスチック製の椅子が乱雑に転がっており、お客さんはまずは座る用とテーブル用の椅子を自ら選び、自らスペースを確保しなくてはなりません。席に着く頃を見計らって、店員さんが注文を取りに来てくれます。周りのベトナム人を見ると、ヨーグルトやチェー(ベトナム風ぜんざい。詳細はこの後の章で説明)を頼んでいる人もいますが、お店の看板メニューである“カラメン”は外せません。“カラメン”とは、ベトナム語でカスタードプリンのこと。個人的な感想になりますが、日本のプリンよりも若干柔らかめでさっぱりした味なので、甘党でない私でも軽く2〜3個はいけます。こんな美味しいプリンが1個8,000VND(約45円)というのだから、お土産や持ち帰りに1人10個以上買って行く人がいるのも納得です。もう1軒のプリン屋も目と鼻の先にありますので、2軒をはしごして、食べ比べするのも良いでしょう。

”KEM CARAMEN”の赤い看板が目印

家族や友人同士でおしゃべりしながら、スイーツを楽しむのはどこの国も一緒

お店の看板メニューの「カラメン」。赤いプラスチック製のお皿に乗ったプリンは、子どもの頃を思い出させてくれます
店名:Kem Caramen Dương Hoa
住所:29 Hàng Than, Nguyễn Trung Trực, Ba Đình, Hà Nội
営業時間:8:00〜22:00
店名:Minci
住所:5 P. Nguyễn Trường Tộ, Nguyễn Trung Trực, Ba Đình, Hà Nội
営業時間:10:00〜23:00
3.ベトナムのローカルスイーツの代表“チェー”
ベトナムのローカルスイーツの代表格として、ガイドブックなどでも必ず紹介されるチェー。甘く似た豆類、芋類、寒天などを複数組み合わせたベトナムの伝統的なスーツです。クラッシュアイスが入っている(または後載せ)の冷たいチェーだけでなく、温かいチェーもあります。今ではプリンや南国フルーツ、カラフルなゼリーが入った、新しいタイプのチェーを提供するお店もあります。せっかくですので、今回は伝統的なチェーを食べることができるお店を紹介したいと思います。
やってきたのは、漢方薬の香り漂うランオン通りとハンカン通りの交差する場所に程近い、「チェーボンムアハンカン」。注文したのは「小豆と蓮の実のチェー」35,000VND(約200円)です。名前にある小豆や蓮の実の他、タピオカや亀の甲羅から取った粉末と薬草を煮詰めた“亀ゼリー”が入っており、具材の下にあるクラッシュアイスを混ぜながら食べます。さながら“具多めのスープかき氷”といったところでしょうか。個人的な感想になりますが、今回ご紹介した中で、食べた後、涼しく感じたローカルスイーツNo1でした。チェーに使われる具材は、実にさまざま。私たち外国人がベトナム語のメニューを見ても、注文に戸惑います。その時は、”Cho tôi xem menu.(チョートイセムメニュー/メニューを見せて下さい)“と言ってみましょう。英語のメニューや写真付きのものを見せてくれます。またお隣さんが美味しそうなものを食べていたら、”Cho tôi cái này.(チョートイカイナイ/これを下さい)“と指差しすれば、簡単に同じものを注文できます。

旧市街ハンカン通り。漢方薬通りで有名なランオン通りのすぐ近く

店内は、ベトナムの国旗がたくさん

シンプルで優しい味の「小豆と蓮の実のチェー」35,000VND(約200円)
店名:Ché 4 Mùa Hàng Cân
住所:4 P. Hàng Cân, Hàng Bồ, Hoàn Kiếm, Hà Nội
営業時間:9:00〜0:00
4.搾りたてフルーツジュース
私がハノイに来たばかりの頃、路上で飲んだフルーツジュースに感動しました。ベトナムでは、日本では見かけることが少ない南国フルーツにも出会えるのが魅力的。店頭に並べられた色とりどりのフルーツは見るだけで楽しい気分にさせてくれます。観光客がフルーツを購入してホテルで食べるには量が多すぎると感じるかもしれませんが、ジュースであれば、手軽に好きなフルーツをその場で楽しむことができるので、おすすめです。
メニューは、ベトナム語のみのお店もありますが、並んでいるフルーツを指差しすれば、言葉が通じなくても、好きなものを注文できるのも観光客にとっては嬉しいですね。ただ1つ気を付けてほしいことは、基本的にベトナムのフルーツジュースは甘いということ。フルーツの甘さに加え、更にシロップを加えるのがベトナム流。日本人にとっては、少し甘すぎると感じる方が多いようです。そのため、シロップを追加したくない場合、注文をする際、 “Không đường(ホン・ドゥン/砂糖なし)”または”Ít đường(イッ・ドゥン/砂糖少なめ)”と一言付け加えてください。少し英語がわかる店員さんであれば、”No suger”でも通じます。

たくさんの果物とミキサーが目印。街中の至る所で見られます
5.歴史的な郵便局にオープンしたスターバックス
ホアンキエム湖の東側、ハノイ郵便局の一角に今年の5月、スターバックスがオープンしました。クラシックな建物にベトナム郵便の看板を残したまま、その下にスターバックスのロゴが合わさったその外観は、新旧の融合を感じさせてくれます。
店内はノンラー(すげ笠)を連想させるような天井のデザインと、高壁のステンドグラスから差し込む光が、幻想的な空間を作っています。ここではスターバックスベトナム限定メニューのココナッツコーヒーをオーダーすることができます。ただ、まだオープンして間もないこと、席数が限られていることから、席の確保が難しい状況。どうしても歴史ある建物でコーヒーを楽しみたいという方は、朝早い時間など、人の少ない時間を狙って訪問するのがおすすめです。

お馴染みのスターバックスの上には、郵便局の看板が

ノンラー(すげ笠)をイメージした天井と正面のステンドグラスが印象的な内装
店名:Starbucks Bưu Điện Hà Nội
住所:Toà Nhà Bưu Điện, 87 P. Đinh Tiên Hoàng, Hàng Trống, Hoàn Kiếm, Hà Nội
営業時間:7:00〜22:00
6.ベトナム初!お酒が飲めるスターバックス
ハノイで2店舗目のリザーブ店。日本でもお酒が飲めるスターバックスは、まだ数が少ないですが、今年、ベトナムで初のお酒が飲めるスターバックスが、ホアンキエムエリアに程近いメリアホテルから徒歩2分の場所にオープンしました。
見るからに豪華なフランス建築が目を惹くこの場所は、若いベトナム人の絶好の写真映えスポットにもなっています。ドリンクメニューはクラシックカクテルのほか、この店舗のシグニチャーカクテルも楽しめます。中でも高級コーヒーベースのカクテルは、スターバックスならでは。またホーチミンでよく見かけるタマリンドの風味を楽しめるカクテルも、スッキリ飲みやすくおすすめです。カウンターでは、コーヒーマスターがお客の目の前でシェイカーを振っている姿を見ることができます。朝早くから開店していますが、お酒の提供は12:00からです。

ハノイ2店舗目のリザーブ店は、フランス建築が美しい

カウンターに座りながら、間近でカクテル作りが見られ、まるでバーのよう

Starbucks Reserve Espresso Martini 22万VND(約1,200円)。
店名:Starbucks Reserve Quang
住所:6A P. Quang Trung, Trần Hưng Đạo, Hoàn Kiếm, Hà Nội
営業時間:7:00〜0:00
いかがでしたでしょうか?
今回紹介したお店で、スターバックス以外は、屋内で飲食できますが、扇風機のみ。クーラーに慣れてしまっている方には、屋内でも暑さを感じるかもしれません。たまには、自然の暑さを感じながら、のんびりとスイーツを楽しむのも、旅の良い思い出になることでしょう。
文=土佐谷 由美