年始はパワースポットで運気アップ!ハノイのお寺、神社とベトナム人の信仰心

あけましておめでとうございます。2026年は丙午(ひのえうま)。情熱やエネルギーに満ちた大きな変化と飛躍がある年とされており、そのご利益に預かるべく、パワースポットに関心がある方も多いのではないでしょうか?今回はハノイの神社仏閣、パワースポットとベトナム人の信仰について、ご紹介したいと思います。

0.神社それともお寺?見分け方を解説

ハノイの街を歩いていると至る所で、神社やお寺らしき建物をよく見かけます。ベトナムに来たことがある方であれば、日本のように外観だけで神社とお寺を判断するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
地図やガイドブックでのベトナム語表記は、“Đền(デン)”や“Chùa(チュア)”。これらが神社仏閣に相当します。

<ベトナム語の呼び名>
・Đền(デン):歴史上の重要人物を祀った場所。三国志に出てきそうな英雄の像が安置されている。日本の神社に近い。
・Chùa(チュア):仏教の修行や説法を行う場所。日本のお寺にあたる。お堂の中に仏像がある。

日本語訳ではどちらも“寺”と訳されることが多いのも、日本人にとって区別がつきにくい理由のひとつでしょう。ベトナムは国民の80%が仏教徒と言われる仏教大国。Chùaはベトナム全土、至る所にあります。

日本では、“大晦日はお寺、お正月は神社”など、行事によって使い分けをしている方が多いと思いますが、ここベトナムでは、家族や個人で決めている神社やお寺があり、大きな行事の時だけではなく、お詣りそのものが生活の一部になっていることが、日本と大きく違うところです。

1.ハノイで人気No1!ご利益スポット!ベトナム人の生活に根付いた聖地〜西湖府 (Phủ Tây Hồ)

ベトナム人の友人に「ハノイで1番、ご利益があるスポットはどこ?」と聞いたところ、勧められたのが西湖府です。旧市街から車で約25分ほどの場所、地理に詳しい方であれば、西湖北側の大きく突き出た半島の先端部と説明すれば、おわかりになるかも知れません。このあたりは外国人やおしゃれな飲食店も多く、バイク音やクラクション音も少ない、“ハノイなのにハノイらしくないエリア”です。
旧正月(ベトナムのお正月)に近い雰囲気を味わうため、旧暦15日に合わせて訪問してみました。本府(お寺で言う本堂にあたる建物)へのルートはいくつかありますが、今回は50ダンタイマイ通りからスタートします。

① 参道を歩く

旧市街方面からバスで西湖府へ。最寄りのバス停からは、徒歩で約30分。バイク移動に慣れていると、少し長く感じられる距離ですが、目の前に広がるハノイ最大の湖の景色を眺めながらの徒歩は、のんびり旅には良いもの。時間がある方には、バスがお勧めです。
参道のスタート地点に当たる50ダンタイマイ(Ng.50 Đặng Thai Mai)通りとクアンカイン(Quâng Khánh)通りの交差点近くでは何人もの年配の男性たちが、参拝客を待っています。テーブルには“Viết sớ chữ nho(漢文で嘆願書を書きます)”と書かれており、参拝客の願い事を聞いて、漢字にしたためてくれる人たちです。書いてもらった嘆願書を祭壇にお供えしてから燃やすと、その煙が天に届いて神様が願いを叶えてくれると言われています。日本の絵馬に似ていますね。看板には手相(xem tay)の文字もあり、信じ深いベトナムの人たちが占ってもらっている姿も見られます。またお供え用のお菓子や果物なども参道で購入することができます。

② 西湖名物!バイントムをいただく

参道を歩いていると、あちらこちらから油で揚げる、いかにも美味しそうな音がしてきます。参拝前にまずは腹ごしらえ。注文するとすぐに、お目当ての料理が運ばれてきました。日本語で“エビの天ぷら”と訳されていることも多い、バイントム(bánh tôm Hồ Tây)と呼ばれるこの料理は、ハノイのB級グルメ、西湖の名物です。野菜と一緒に酸味の効いたヌックマム(魚醤)ベースのたれにつけて食べますが、揚げたては、熱々サクサク!1人で1皿(3個)ペロリと平らげてしまいました。

Nhà Hàng Hồng Luyến
住所 33/50, Phủ Tây Hồ, Quận Tây Hồ, Quảng An, Tây Hồ, Hà Nội
アクセス 西湖府参道内
営業時間 7:00〜22:00
バイントム1皿(3個)60000VND(約360円) *お持ち帰りも可

③ いよいよ西湖府の中へ

楼門(西湖鐘閣)をくぐると目の前には、ハノイ最大の湖、西湖が広がります。対岸にはハノイを一望できる展望台やお土産スポットしても有名なロッテセンターが小さく見えます。湖沿いの参道は左手にお店、右手に湖と良い散歩コースです。手相、供物のお店のほか、お土産用の手作りおこしなどを売るお店などもあります。なかでも一際目につくのが、魚や鳥を売っているお店。ペット屋さんではありません。魚や鳥を放すことは、徳を積むこと。良い行いは、やがて自分に返って来ると信じられています。私も早速、魚を1桶頂きました。お店の前には、柄の長い柄杓が用意されており、購入した魚を入れて、湖に還します。

旧暦の毎月1日/15日、テト(旧正月)前後は、大勢の人で賑わう。

手相はどこも人気。

参道では放流用のどじょう、金魚、タニシも売られている。1桶50000VND(約300円)〜。

ここで少しだけ、西湖府の歴史についてお話ししておきましょう。
ベトナムの民間信仰“聖母道”の女神、柳杏聖母を祀る神社です。聖母道とは中国の道教とアミニズムが融合した信仰で、柳杏聖母は実在の人物とされていています。17世紀初め頃に建立されたと考えられていますが、1947年フランス軍により1度は焼失、1957年に修復されました。その後も改築が行われ、1996年に国の歴史文化遺産に指定、聖母信仰の三大聖地のひとつです。またご利益としては、家内安全、商売繁盛、縁結びなどが期待できます。
参拝者の多くは、予め食べ物などお供物を用意してきます。祭壇に飾れるように、敷地の一角に設けられた仕度部屋で、持参したお供物をお盆に載せ替え、本府へ向かいます。

「西湖顕跡」と書いてある建物が正府で、玉皇上皇が祀られています。その右手にある建物は「山荘洞」と呼ばれ、商売繁盛を司る上岸聖母が祀られています。それぞれお詣りした後は、山荘洞の向かいにある炉で、嘆願書や紙のお札を燃やします。

私が訪問した旧暦15日(平日)の9:00頃でしたが、若い参拝者も多いことに驚きました。聞くところによると、早朝に参拝に来るのは年配者、若い人はその後にお詣りに来るそうです。祭壇はボランティアの方が整理をしても追いつかないくらい、お供物でいっぱいでした。お供えしたものは、家に持って帰ってもよし、そのまま置いて帰るのもよし。お供物を用意していない時には、お賽銭(寄付)でも良いとのことです。

西湖府 (Phủ Tây Hồ)
住所 52 P. Đặng Thai Mai, Quảng An, Tây Hồ, Hà Nội
アクセス 旧市街から車で約25分
開門時間 5:00〜18:00
ご利益 家内安全/商売繁盛/縁結び など

2.ベトナムのお寺で、お経をあげてみた〜霊山寺(Chùa Tảo Sách)

① 霊山寺はどんなところ?

霊山寺は、西湖西側ラックロンクアン(Lạc Long Quân)通り沿い、タイホー区人民委員会の向かい側にあります。正式名は霊山(リンソン/Linh Sơn)寺ですが、地元の人たちからは、この寺に長く勤めていた僧侶の名前をとって“タオサック(Tảo Sách)寺”と呼ばれています。
長年、周囲に住む人たちによって守ってきた仏教寺院のため、寺の歴史の詳細は記録として残っていません。観光寺院ではありませんが、ハノイの古い寺院で落ち着いた場所です。
今回はベトナム人の友人が毎月旧暦1日は早朝からこのお寺に行くというので、一緒について行くことにしました。

朝7:30から本堂で読経が始まるというので、友人とは7:20に待ち合わせ。熱心な信者らしき人たちが次々とバイクでお寺にやってきます。ドーラム(Trang phục tuệ căn Đồ Lam)と呼ばれる仏教徒の服を着ている人たちも多く見受けられました。
お寺の規模は、門構えに比べ、敷地が広く、今まで見てきたベトナムのお寺よりも、建物がゆったりと配置されている印象です。前述の西湖府とは違い、参道はなく、供物を売る店も門の脇で数軒と行ったところ。お供えをするのであれば、事前に用意するのが良さそうです。
本堂に行く前にまずは「祖霊堂」という、歴代の住職を祀る建物の前で、手を合わせます。お寺に来た時と帰る時は、ここで手を合わせるのが暗黙のルールだとか。また本堂の前には、西湖府でも見た魚やタニシが入ったバケツが並べられていました。

まずは「祖霊堂」で歴代の住職へのご挨拶。

右から2番目の女性が着ている服がドーラム。

② ベトナム語のお経は音楽?!

ベトナム人はいつでもどこでも賑やかな印象ですが、本堂の中に入ると静か。すでに経机と経本が用意されており、空いた席に座り、7:30の開始を待ちます。
本堂に住職が入ってくると、お経の時間が始まります。当たり前ですが、お経は全てベトナム語。日本のお経は、抑揚なく平坦に読む印象ですが、元々ベトナム語の発音には抑揚があるため、お経にも関わらず、みんなで合唱しているかのよう。日本人の私は、読むのについて行くだけ精一杯でしたが、繰り返しやお辞儀をする箇所はすべて経本に書いてあるため、見よう見まねでどうにか30分の読経を終えました。日本でよく見る、お経の前後の説法はないので、お経を読み終わったらいつの間にか解散。日本人としては、いささか拍子抜けですが、ベトナムの式典や忘年会と似ていて、在住者としては面白いと感じました。

読経の後は、魚やタニシを放流します。近年、西湖は水質が悪く、魚が死んでしまうと、このお寺の人たちは、ハノイを囲うように流れる紅河まで持っていき、放流するそうです。ただし、最近は自分で持って行かずに、Grabなどのデリバリーサービスを使って川まで運んで、代わりに放流してもらう人たちも多いとか。このあたりは、忙しい現代人らしい逸話です。

このお寺では毎月旧暦の1日と15日に信者向けにこのようなお経をあげる場を設けています。熱心な信者は、普段から家で日々お経を読む練習をしたり、意味がわからないところは自分で調べたり、お寺が開催する勉強会に参加したりして、勉強しているそうです。
観光寺院ではありませんが、心を整えたい、何気ない日常に感謝したいと思っている人に、是非訪れて頂きたい場所です。

Chùa Tảo Sách (Linh Sơn Tự)
住所 386 Đ. Lạc Long Quân, Nhật Tân, Tây Hồ, Hà Nội
アクセス 旧市街から車で約30分
開門時間 6:00〜18:00
ご利益 平穏無事

外観からは神社と寺の区別がつきにくいベトナムですが、今回、実際にベトナム人に混ざってお詣りや読経体験をしてみて、神社は願いを叶えてもらうため場所、寺は日々の暮らしへの感謝を学ぶ場所、ということを日本以上に明確に感じました。お詣り後、長らく会っていなかった友人から数年ぶりに連絡が来たり、イベントに参加して新たなご縁が生まれたりと、早速ご利益がありました。これは毎月通わなくては行けないかもしれませんね。
もし、この2つを“はしご参拝”する場合は、霊山寺で心を整えてから、西湖府で祈願をするのが良いのではないでしょうか。会社やお知り合いにベトナム人がいるようでしたら、是非一緒に行ってみることをお勧めします。ベトナム人の考え方やベトナム文化に触れる良い機会になると思います。

文=土佐谷由美

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土佐谷由美

投稿者プロフィール

千葉県出身。國學院大学文学部史学科卒。設計事務所を経て、(株)ニトリに入社。2019年自社家具工場への出向が初ベトナム。2025年春よりフリーランスに転向。

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