物流体制を強化し、農産物の電子商取引を推進
- 2021/08/07
サプライチェーンの分断を防止
ベトナム情報通信省のPham Anh Tuan(ファム・アイン・トゥアン)副大臣は、7月27日午後に開催された商工省と情報通信省の共同会議で、各省・市で新型コロナの感染拡大が深刻化していることにより、生活必需品のサプライチェーンが分断されていると指摘した。サプライチェーンの分断を回避し、物流体制の課題を解決するため、トゥアン副大臣は次の4点を提案した。
▼運送者の感染対策を行いながら経済・社会の成長を維持すること
▼商工省との連携のもと、郵便事業者が商品の流通・供給により深く携われる環境をつくり、生活必需品の物流を優先する「グリーンフロー」をいち早く設けること
▼両省で連携して農産物生産者のECサイト販売を支援し、農業分野におけるデジタル経済の発展を促すこと
▼一貫性のある、迅速で適切な指導を統一的に実施するため、情報公開・広報業務を連携して行うこと
これを受けて商工省のDo Thang Hai(ドー・タン・ハイ)副大臣は、同省電子商取引・デジタル経済局に対し、情報通信省関係各局との連携の下、感染地域への物流・商品供給方針をまとめ、農家のECサイトによる商品供給を支援するよう指導したと発表した。生活必需品を優先する「グリーンフロー」については、一部の地域で首相指示第16号の運用が物流体制において統一されていないことから、政府に対して流通禁止品目を定めるよう提案したと表明している。また、ハイ副大臣はベトナム郵便総公社、ベトテルポスト郵便総公社の感染地域における安定した価格での販売、商品の輸送を高く評価した。
ECサイトでの農産物供給を推進
ハイ副大臣は「農産物生産者のECサイト利用を支援し、農業分野におけるデジタル経済の発展を促す」提案について、オンライン取引の強化は感染が拡大する中で最も有効な解決手段であり、商品供給源の確保に貢献すると述べた。「商工省は各商品や地域特産品のECサイト販売を促進するため、情報通信省だけではなく各部局、各地域と緊密に連携する準備ができている」とハイ副大臣は強調する。電子商取引・デジタル経済局のNguyen Thi Minh Huyen(グエン・ティ・ミン・フェン)副局長は、情報通信省が商工省と連携して立ち上げたECサイトプラットフォームには、各地の農産物が販売されており、注目に値する結果を残していると述べた。しかし、農産物や地域特産物のECサイト販売・供給を支援するには、品質管理や物流構築が求められ、また、農家のECサイトへの参加を促すには関係部局が携わる必要があるとしている。
これらの意見を踏まえ、ハイ副大臣は電子商取引・デジタル経済局に対して、情報通信省、農業・農村開発省と連携し、農家支援策をまとめるよう指示をした。支援策では、ECサイトを用いた農産物や地域特産物の供給に加え、海外への輸出も促進する。また、交通運輸省と連携して「グリーンフロー」を整備し、首相指示第16号が適用されている感染拡大地域にも商品を配達できるよう同局に求めた。
現地では、社会隔離中にもかかわらずスーパーや市場が混雑していることが問題視されている。新型コロナを機に小売店などでオンライン販売が大きく普及したが、ECサイトの必要性は今後ますます高まるだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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