第2のベトナム産ワクチン、来年第1四半期供給開始に向け治験開始

ベトナム産ワクチン

引用元:ベトナム政府発行のWEB新聞「TUOI TRE NEWS」

第2のベトナム産新型コロナワクチンであるCOVIVAC(コビバック)ワクチンが、2022年第1四半期の供給開始に向け、保健省傘下のワクチン・医療製剤研究所(IVAC)で開発研究が進められている。

IVACの研究員であるDuong Huu Thai(ズオン・フウ・タイ)氏は4月11日、コビバックワクチンの開発研究でよい成果を残すことができ、治験段階に移ったと発表し、近いうちに保健省の承認が下り、生産や供給ができるようになるだろうと述べた。

コビバックワクチンは、IVACが複数の大学や国際組織、国内外のパートナーと連携して開発を進めたワクチンで、ベトナムの一部地域で優先接種が実施されているアストラゼネカ社製のワクチンと同様、ウイルスベクターの技術が用いられている。 タイ氏によると、4月20日までに120名のボランティアを対象とした第1相試験がハノイ医科大学で開始され、第2回目の接種は第1回目から28日後に行われる予定だ。治験中は各ボランティアの健康状態を観察し、7回の診察を行ったうえでワクチンの安全性や免疫反応を評価する。

「これまでに66名のボランティアへの接種を行い、あと1~2週間で第1相試験の第1段階が終わります。接種後の健康状態は皆さん安定しており、一部の方は注射部位の痛みや頭痛、筋肉痛、嫌悪感など、軽度の副反応が見られました。ですが、副反応の大半は1日ほど経てば収まっています。」とタイ氏は説明する。

予定では、第1相試験の中間報告および最終報告が今年7月中に提出され、ワクチンの安全性や免疫反応が基準を満たせば、タイビン省で対象者を300人に拡大して第2相試験を実施する。タイ氏は「2022年第1四半期にコビバックワクチンの接種および輸出を行う計画で開発・治験を進めています。IVACのワクチン生産量は現在は年間600万回分ですが、最新の技術によって近いうちに年間3,000万回分へ向上し、1回6万ドン(約300円相当)という安価で提供できるようになります。また、コビバックワクチンは保管や輸送条件が緩和されており、皆さんに広く普及するでしょう。」と述べた。

第1のベトナム産新型コロナワクチンであるNano Covax(ナノコバックス)ワクチンは昨年12月に治験が始まり、現在第2相試験を実施しているところだ。今後の計画では4月末に第2相試験の評価を行い、5月に第3相試験へ移る予定である。軽度の副反応が出たもののこれまでの経過は順調で、5月に第3相試験が開始され、早ければ当初の計画より3か月早い、今年第3四半期に第3相試験が終了する見込みである。

ベトナムでは現在4種類のワクチン開発が進められているが、ベトナム産ワクチンの開発が成功すれば、ワクチンの国内普及率は大幅に向上するだろう。日本はベトナム国内の接種体制構築に向けた保冷設備などの支援を表明しているが、日本の支援が有効活用されることを期待したい。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)

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