ベトナム、日本企業にとって第2位の海外投資先候補に
- 2021/04/23
ジェトロ(JETRO)ベトナム・ホーチミン事務所の比良井 慎司所長は、ベトナムが日本企業の海外での事業拡大先として中国に次ぐ第2位となり、多くの日本企業がベトナム市場に関心を寄せていることがわかったと発表した。
比良井所長によると、ジェトロは2002年から海外ビジネスに関心が高い日本企業を対象に「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を実施しており、2020年には2,722社を対象に回答を得た。調査では、海外で事業拡大を図る国・地域について中国が1位となったが、一方で米国やベトナム、台湾なども増加しており、分散化が進んでいることがわかった。特に2位となったベトナムは、1位の中国との差が縮まっており、10年前にはおよそ48%あった差が、昨年にはおよそ7%となっている。比良井所長は、「ベトナムにおける事業拡大のペースが年々上がっていることから、ベトナムでの経営で問題を抱えている企業の割合が全体的に低くなっていることがわかります。特に、インフラに関する問題は極めて改善されています。」と評価した。
ジェトロでは、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業グループを立ち上げ、日越間のつながりを促進しており、日本よりも高い技術力を持つベトナム企業から技術を買い取っている。昨年には、双日グループが第三者割当増資を通じて、ベトナムのアグリテックスタートアップ企業であるライナン社の株式を取得した。双日グループは、ライナン社への出資を通じてベトナム内外のネットワークを活用し、プラットフォーム事業の拡充を目指す。また、第4次産業革命に向け、ベトナム政府が掲げた国の基幹産業へのスマート技術導入に関するビジョンの実現に貢献する。
また、ジェトロ・ホーチミン事務所は、YouTubeチャンネル「Vietnam-Japan DX」を開設してベトナムのスタートアップ企業を紹介し、ベトナム進出に関心を持っている日本企業とベトナム企業とのマッチングを支援している。
安定した社会情勢や市場の潜在性などに加え、ベトナムがこれまで進めてきたインフラ整備が日本を含む外資企業の誘致につながっているといえるだろう。上述のJETROによる「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、日本企業のデジタル技術の活用意欲は高まっているとのことで、技術インフラの整備や新た技術の導入が進めば、それらを活用した経済発展が見込まれる。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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