カットバンロイ社がJIS規格を取得した部品を東芝へ供給
- 2021/07/17
カットバンロイ電気設備工業会社では、JIS規格C8305を満たす鋼製電線管を生産しており、日本の受注先から重要な事業や工事で用いる製品として選ばれている。
現在、ベトナム国内の機械メーカーは、海外から輸入される製品との競争で苦戦している。原材料の調達で主導権を握れず、生産システムが古いままであり、技術者たちも若い世代ばかりであるため、今後の方針を見定めることができる企業は非常に少ない。
カットバンロイ電気設備工業会社はベトナムの機械設備メーカーで、電気機器、鋼製電線管や部品類を生産・供給しており、日本の受注先のグローバルサプライチェーンにも参加している。同社は基準を満たした電気機器・鋼製電線管生産システムを構築し、年間で鉄鋼8,000トン相当を生産する。海外から研修に来ている技術者たちとともに自社生産システムの円滑な稼働を維持し、ISO 9001:2015の品質管理に基づき、JIS C8305の認証を得た鋼製電線管やその部品を供給している。
ISO 9001:2015は、設備の改善や品質管理のために新たに導入されている取り決めである。JISはJapan Industrial Standard(日本産業規格)の略称で、日本の工業・建設業で用いる基準が定められている。基準化は日本産業標準調査会(JISC)によって審議され、日本規格協会(JSA)によって発表される。
2021年5月、カットバンロイ社は東芝との電気機器供給契約を締結した。契約では鋼製電線管や部品を生産し、バングラデシュのマタバリ石炭火力発電所建設のために輸出することが定められている。同社の鋼製電線管は鋼鉄の段階からISO 9001:2015に従って生産され、建設工事における安全性を確保することが可能だ。E管(ねじなし電線管)、C管(薄鋼電線管)やその部品など、カットバンロイ社がJIS C8305に基づいて生産した鋼製電線管は取り付けが簡単で、1つの工場で生産され品質が統一化されているため、日本の取引先から信頼を得ている。
カットバンロイ社のLe Mai Huu Lam(レ・マイ・フウ・ラム)社長は、「当社の製品はすべてお客様の満足のために生産されています。電気機器を生産・供給するため、当社は市場調査から原材料の選定、基準を満たす生産システムへの投資など多くの段階を踏まなければなりませんでした。全ては品質基準を満たす製品を保証し、工事の生産性を最大化させるためです。」と述べる。同社は自社の鋼製電線管や部品の品質を広報しているところで、ベトナム国内の工事1,000か所以上への供給、ベトナムに進出する日本企業20社以上への供給、ラオス、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ニュージーランドへの輸出を進めると表明している。
JIS規格を取得した部品をベトナムから調達することができれば、周辺国で実施されている事業への輸送コストの削減や品質管理が可能となる。海外で事業を展開する企業は多様なサプライチェーンを構築することができるだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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