EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)で商品99%の関税撤廃へ
- 2020/08/05
EVFTA協定は2020年8月1日に正式に発効し、EUとベトナム間で取引される商品の99%に関し、関税を撤廃することになります。
ベトナムで事業を展開しているヨーロッパの企業にとっても、事業活動は容易になります。今後ヨーロッパの企業は、地元企業と同等のビジネスチャンスがあり、政府との契約に参加して投資する権利を持つこともできます。
EVFTA協定に基づく経済的利益は、持続可能な開発に向けて、法的拘束力のある規定、労働権の確保、パリ協定における環境の保護、と連動します。
グエン・スワン・フック首相は欧州委員会(EC)委員長であるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏は「現在ヨーロッパは、コロナウイルス危機後の、経済を回復するあらゆる糸口をつかむ必要があります。EVFTAという貿易協定は、ヨーロッパの企業が新興市場にアクセスし、人々の雇用を創出するチャンスです。私はこの協定がベトナムにとって、より繁栄している経済へ移行するチャンスだと信じています。」と強調しました。
フィル・ホーガン貿易担当委員は「ベトナムは、二国間の貿易協定の下で、EUと貿易を行う77カ国の一員となる。今回の協定は、EUと活力に満ちた東南アジア地域との経済関係を強化するものであり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機以降の、復興に資するだけの経済的な可能性を秘めています。また、妥結に至るまでの貿易交渉によって、ベトナムの労働者権利の保護に改善が見られたことは、貿易政策がいかに経済を良い方向へ導く力となりうるかを示すものでもあります。」とコメントしています。
EVFTA協定は、EUが開発途上国と締結した協定の中で、最も包括的な貿易協定です。また協定は10年間にわたるベトナムの開発ニーズを考慮に入れました。これは、EUの輸入に対する関税を撤廃するために、双方によって慎重に計算された期間です。
EVFTAが施行されると、医薬品、化学薬品、機械設備などの重要なEU輸出製品は非課税となります。牛肉やオリーブオイルなどの農産物は今後3年間、乳製品、果物、野菜においては5年間非課税となります。
植物衛生に関する包括的な規制のお陰でEU企業の新しい市場加入が容易になります。 EVFTA協定には、EUの自動車輸出に対する法的障壁に対処する特定の規制もあります。また、ロックフォールチーズ、ポルトとヘレスのワイン、アイルランドのワイン、プロシュートパルマなど、169の伝統的なヨーロッパ食品および飲料製品の自動地理的表示保護制度があります。
さらに、EVFTA協定は、環境と社会的権利に対する双方の強いコミットメントも示しています。この合意により、労働、環境、消費者保護に関する高い基準が設定され、企業がコスト削減のため低賃金で雇用することや、労働者を劣悪な労働環境におかないことが保証されます。
EVFTA協定に基づき、双方は国際労働機関(ILO)の8つの基本条約を批准して実施すること、労働者の権利に関連するILOの原則を尊重し、促進し、効果的に実施すること、気候に関するパリ協定および他の国際環境協定を実施することなどを約束しました。
欧州委員会によると、ベトナムは、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国ではシンガポールに次ぐ第2位の貿易相手国であり、2019年の貿易額は455億ユーロ、2018年の貿易額は約40億ユーロです。
ベトナムのEUへの主な輸出品は、電子機器、履物、繊維製品、衣類、コーヒー、米、シーフード、家具です。EUからベトナムへの主な輸出品は、電気機械設備、航空機、医薬品などのハイテク製品です。
ベトナムがEUにとって、ASEANで2位の貿易相手国であることは、EUとアジアとの関係における画期的な出来事です。
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