農業水産業産出額の上半期成長率が過去10年で最高に
- 2021/07/17
新型コロナの影響があったにもかかわらず、農林水産業産出額の成長率は過去10年で最大規模となった。今年の農産物輸出額が450億米ドルに到達する可能性も考えられる。
6月30日、農業・農村開発省は2021年上半期の概略と下半期の展開について会議を行った。計画部のNguyen Van Viet(グエン・バン・ベト)部長は、統計総局の報告書によると、上半期における農林水産業産出額の成長率は+3.84%に達する見込みで、各分野については農業分野が+3.71%(畜産が+5.73%)、林業分野が+3.98%、水産分野が+4.25%になったと発表した。上半期のGDP成長率は+3.6%で、うち農業分野が+3.51%、林業分野が+3.5%、水産分野が+4.1%とのことだ。
新型コロナが拡大しているにもかかわらず、上半期の農林水産物輸出額は拡大し続け、計画値を超えたとベト部長は述べた。輸出額は前年同期比28.2%増の242億3,000万米ドルに達し、好調な結果となっている。うち、農産物が13.3%増の104億米ドル、水産物が12.5%増の40億5,000万米ドル、林産物が61.5%増の87億米ドルで、ゴムやカシューナッツ、野菜・果物、キャッサバなどが輸出額・輸出量ともに大きく伸びたという。今年上半期は、米国への輸出額が前年同期比59.8%増、全体の27.9%を占める約67億米ドルに上り、米国はベトナムにとって最大の輸出先となった。次いで、中国が2位となり、前年同期比32.1%増の47億5,000万米ドルで、全体の19.6%を占めた。
ベト部長によると、下半期、そして今年1年間における農業のGDP成長率が全分野の総計で+3.0~3.2%、産出額は+3.2~3.5%になると見込まれている。「年間で農産物215億米ドル、林業・木工品140億米ドル、水産物85億米ドルの輸出を目指し、農林水産業の年間輸出額450億米ドルを達成すると決定しました。これは、政府が提示した額よりも30億米ドル高い金額です。将来性のある主要産物や、輸出額の増加が期待される産物を輸出することで、輸出金額の目標を達成できないと考えられる産物を補います。」と同部長は述べる。
ベト部長によれば、省は目標の達成に向けて輸出拡大に注力し、ベトナム産農産物の貿易障壁や技術障壁に関する課題の解決のために、各国と交渉を行うとしている。また、米国に関しては注意深く市場の動きを追っていき、水産分野の農業法適用や木材・木工品の供給元の合法性、はちみつの不当廉売を防止するための調査について速やかに対策を打ち出す。中国についてはさつまいも、ドリアン、唐辛子、パッションフルーツ、ザボン、ココナッツなどの価値が認められ、成長が期待できる農産物の国際的な慣例にのっとった大口取引の開始について交渉を行う。
農業・農村開発省の Phung Duc Tien(フン・ドゥック・ティエン)副大臣によると、今年上半期の農林水産業産出額成長率+3.84%は、新型コロナや災害、気候変動によって苦境に立たされたにもかかわらず、2011年(+4.24%)以降、最も高い値であった。
ベトナム産農林水産物の輸出の躍進は、ベトナムがこれまでに行ってきた品質向上の取り組みや、近年発効された自由貿易協定による効果、他の競合国の輸出が新型コロナによって打撃を受けていることなど様々な要因が考えられる。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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