日越企業間でマッチングを強化しベトナム産農林水産物の輸出を促進
- 2021/08/14
かねてより、駐日ベトナム大使館商務部はベトナム企業の輸出を支援するため、農林水産業を中心にベトナム企業と日本のバイヤーやサプライチェーンのマッチングを強化している。
今年の年初7か月間におけるベトナム産農林水産物の輸出は、新型コロナが拡大する中でも好調で、農産物の輸出額は前年比15%増の122億米ドル、林産物は54%増の102億米ドル、水産物は12%増の49億米ドル、畜産物は16%増の2億5,400万米ドルとなった。7月単月では、今年6月より9.5%減少したものの、前年7月比では26.7%増の42億米ドルで、農産物18億米ドル、林産物141億米ドル、水産物8億米ドル、畜産物4,410万米ドルとなった。なかでも日本への輸出が多く、年初7か月の日本向けの輸出額は19億米ドルを超え、全体の約7%を占めている。
新型コロナによって海外パートナーと取引する企業への影響が広がっていることを受け、商工省の管轄機関が主体となり、オンラインでの商談会・セミナーや、BtoB向けWebサイトの構築、サンプル・情報交換など、企業をマッチングするための多様な取り組みを行っていた。また、駐日ベトナム大使館商務部も日本との取引を希望する企業からサンプルやカタログを送付してもらい、国際食品・飲料展(FOODEX 2021)の商務部のブースに展示して支援していた。
日本で生活するベトナム人は毎年大幅に増加し、今年50万人に上る。これを受け、ベトナム産農林水産物やベトナムの食品は日本で人気を集めている。また、日本人消費者は高品質な外国製品に対して関心を高めており、ベトナム製品のさらなる日本市場への参入、そしてシェア拡大の可能性が大いにあると評価されている。現在、品質が高いベトナム産の農林水産物や食品は、イオンやドン・キホーテといった日本の大手スーパーマーケットチェーンで販売が拡大している。
高品質のベトナム産製品が日本で受け入れられる可能性は高いものの、効果的・持続的に輸出・販売するために輸出側のベトナム企業が頭に入れておかなければならない日本市場の特徴が何点かある。日本の消費者はある特定商品の価格推移について非常に敏感であるため、日本のバイヤーは値段や供給量の安定性を高い水準で求める。そのため、ベトナム企業は、品質向上や商品の多様化、商品形態への調査や投資を重点的に行い、多岐にわたる顧客層の嗜好に対応することが必要となる。合わせて、日本の企業文化の特徴として、信頼できる第三者から推薦されたパートナーに対しては信用度が上がる。そのため、ベトナムの輸出企業は政府機関(商工省や省人民委員会など)が実施している商談会の情報を集めて参加し、日本を含む多くの海外パートナーと面会・対話・提携をする機会を得ることが必要である。
ベトナム産農林水産物は様々な品目が海外へ輸出されており、中でもベトナム産の米やエビの輸出量は世界でも上位を占めている。近年は日本への輸出も増え、一般的なスーパーマーケットでもベトナムの食品が販売されるようになった。日越の経済連携が深まりを見せる中、今後さらに輸出が増え、様々な商品が店頭に並ぶことを期待している。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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