年初2か月はコロナ禍でも経済回復の兆し
- 2021/03/17
ベトナム経済は、テト(旧正月)直前の新型コロナ第3波で深刻な打撃を受けたものの、これらの影響に対する懸念はそれほど大きくなく、いくつかの指標では明るい兆候が出ている。
年初2か月の鉱工業指数(IIP)は前年同期比で7.4%増加し、また、2月に新規設立された企業数は8,000社超に上り、過去5年間の旧正月にあたる月の平均である7,300社を超えた。営業を再開した企業数も4,600社超と前年同期比26.8%増となり、経済回復への期待感を反映している。貿易も非常に活発で、年初2か月の貿易総額は958億米ドルと前年同期比24.5%増となり、貿易黒字は12億9,000万米ドルに達した。
一方で、宿泊・飲食・交通・観光業界などは引き続き新型コロナの影響を受けており、年初2か月の観光収入は前年同期比で62.1%減と大きく落ち込んでいる。一時営業を停止した企業は2万1,600社と前年同期比34%増で、サービス業・観光業の小規模の企業を中心に増加した。計画投資省は影響の大きかった業界に対してヒアリングを行い、支援に向け準備を進めた。
計画投資省のグエン・チー・ズン大臣は、国内経済の成長促進に向けた方針を示しつつ、経済回復に向け新型コロナを乗り越えるためには、感染を抑え込むことが最も重要だと強調している。経済専門家のグエン・ディン・クン氏は、深刻な状況の中でも政府はコロナ禍の状況をうまくコントロールしており、貿易をはじめとした多くのマクロ経済指標で好調な値が出ていると見解を述べた。
コロナ禍でもベトナム経済は勢いが衰えていない。新型コロナの第3波が到来したのち、現時点では市中感染ゼロまで戻ってはいないものの、ピークは過ぎて徐々に収まりをみせつつある。国内のサービス業は今は大変な時期にあるだろうが、感染を完全に抑えこむことができれば、需要も回復し、ベトナム経済はさらに加速していくだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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