ベトナムへの海外直接投資額が年初3か月で100億米ドルを突破
- 2021/04/09
外国投資局によると、ベトナムでは年初3か月の海外直接投資額が大幅に増加し、3月20日の時点で前年同期比18.5%増にあたる101億3,000万米ドルに達した。その内訳については、新規登録投資額が72億米ドル(前年同期比30.6%増)、資本調整額が21億米ドル(前年同期比97.4%増)、株式取得額9億800万米ドル(前年同期比58.5%減少)で、株式取得額を除き、大幅に増加している。
一方で、新型コロナの影響で事業登録件数、増資・株式取得件数は減少しており、大規模事業の増加によって投資額が伸びていることがわかった。第1四半期には、登録投資総額31億米ドルのロンアン省第1・第2液化天然ガス発電所(シンガポール)や、13億1,000万米ドルのカントー市オモン第2火力発電所(日本)など、各国により大規模な投資登録・増資が進められている。とりわけ、今年の初めには、バックザン省でフカン・テクノロジー工場におけるタブレットやノートパソコン製造事業(登録投資総額2億9,300万米ドル)が承認された。同事業は鴻海(ホンハイ)精密工業のシンガポール子会社によるもので、アップル社商品の生産拠点がベトナムに移転される可能性を示しており、極めて大きな意義がある。
第1四半期に出資された海外直接投資額は41億米ドルに達する見込みで、前年同期比で6.5%増加した。ベトナムにおける海外直接投資が加速し、出資額が増加した背景には、コロナ禍でも生産・販売が好調であることや、ベトナムの市場潜在性が高く評価されていることが挙げられる。
海外投資局によると、生産・販売活動の回復により、年初3か月の外資企業による輸出額(原油を含む)は、前年同期比27.5%増の585億9,000万米ドルに達する見込みで、全体の76.4%を占めた。そして、外資企業による輸入は前年同期比30.3%増の498億米ドル(全体の66.8%)となり、その結果、国内企業が67億米ドルの貿易赤字となる中、外資企業の貿易黒字は88億米ドルに上り、国全体では21億米ドルの貿易黒字となる。
ベトナムでは、17分野にわたり海外直接投資が行われており、中でも製造・加工業には全体の49.6%にあたる50億米ドルが投資された。投資は56の国と地域から行われ、最も投資額が多かったのはシンガポールで、全体の45.6%にあたる46億米ドルが登録された。第2位は日本で21億米ドル(20.8%)が登録されており、次いで、韓国、中国、香港、米国と続く。
海外直接投資事業が増えたということは各国のベトナムに対する期待値が高いことの表れだろう。大規模投資によりベトナム経済の伸び代は今後さらに大きくなっていく。(ベトナムニュース邦訳 鶴田 志紀)
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