ベトナムの投資環境が日本企業からASEANトップの評価を受ける
- 2021/05/31
日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ事務所所長はベトナムについて、今後、日本企業の投資先としてASEAN諸国の中で最も選ばれる国だと評価した。近年、日本企業によるベトナムへの投資は急拡大しており、現在、ベトナムにおけるジェトロの会員企業数は、1990年代の20倍にあたる2,000社まで増加した。
投資計画省外国投資局によると、年初4か月における日本企業からベトナムへの海外投資額(FDI)は25億米ドルに達し、シンガポールに次ぐ世界第2位となった。また、2021年4月までの日本からベトナムへの投資も、累計で4,690件、総額62兆9,110億米ドルとなり、韓国に次いで第2位である。経済専門家たちは日本の投資事業について、質が高く、ベトナムの経済・社会の成長に貢献するものだと評価している。
今後、日本企業によるベトナムへの投資傾向としては、製造業からサービス業へシフトしていくことに加え、ハノイやホーチミンといった大都市に集中するのではなく、各地方で展開されるようになるだろう。これまでは、ベトナムに投資を行う40%の企業が工場を開設していたが、近年、その値は約20%にとどまり、生産工場の建設から貿易、サービス分野へ変化していることが伺える。ジェトロによると、この動きには様々な理由があるが、中でもベトナムの人口が2050年には1億600万人に達すると見込まれていること、中流層が増加し続けていることで、ベトナム市場が小売企業にとって「天国」のような理想的な場所となっていることが理由の1つである。
加えて、ベトナムは、東南アジアで年間経済成長率が最も高い国として評価されており、GDPはますます成長している。ベトナム企業の地位は向上し続けており、国内企業全体の科学技術分野に対する関心の高まりにも、そのことが見受けられる。
ベトナムに対する日本企業の投資が活発な背景には、ベトナムがこれまで投資誘致を積極的に行ってきたことや、日越両国が各方面で関係構築に励んできたことなど、様々な理由がある。今後、経済のグローバル化やデジタル化が進む中で、両国の関係はさらに重要となっていくだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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