シーズン別おすすめベトナム観光地「冬」(12月〜2月)

 ベトナムで観光業を営んでいると日本人のお客様から尋ねられるのが「ベトナムのベストな旅行シーズンは?」というものです。
 日本を観光するなら、6、7月の梅雨の時期を避けてとか、冬は寒く、雪深い場所は交通が不便などから、旅行の季節としては避けられるかもしれません。ただ、旅の目的が異なれば、ベストでないシーズンでも旅は楽しめるもの。
 ですので、自分が旅に望む目的にあった季節、シーズンを選ぶことも重要になります。
 今回、ベトナム観光旅行記では、シーズン別におすすめの観光地をご紹介いたします。それによって、季節に応じてその気候にあった場所、観光地選びをして、旅を120%楽しめるものにしましょう。

 地図をみるとベトナムは南北に長い国。首都ハノイと商都ホーチミン市とでは、鉄道路線にして約1700km離れています。飛行機でいくと2時間15分かかります。
 日本で例えると新幹線の新青森駅から東京駅を経て、博多駅までがおよそ1700km。同じベトナムといってもハノイとホーチミン市では気候が大きく異なることが、これでわかっていただけると思います。
 ベトナムは緯度的には亜熱帯に属していますので、「熱帯」ということばに引きずられて「常夏」をイメージしてしまいますが、実はベトナムは南北に長い国のため、北部、中部、南部とでは気候が大きく異なります。
 今回ご紹介するシーズン「冬」の12月から2月になりますと、ハノイのような平地でも気温が10度以下になることもあり、とてもではありませんが、半袖、短パンで過ごすことができません。
 冬の1月、「常夏」の南部ホーチミン市から飛行機にのり、北部ハノイのノイバイ空港に降り立ってみると、気温8度!半袖、短パンの乗客が震え上がり、あわてて長袖、長ズボン、ジャケットを買いに走る、なんて光景もハノイではしばしば見かけます。
 逆に南部のホーチミン市は、冬でも気温20度をくだることはまずありません。もしそうなったら記録的な寒さだとして、多くの南部人は上着を着て寒い、寒いとふるえあがります。
 もちろん日中は冬場でも30度を超えてきます。12月ともなれば、5月ごろから続く雨季も終わり、乾季に入りますので、雨も少なく、空は晴れ渡り、快適なことこの上ありません。ホーチミン市や南部観光のベストシーズンといっていいでしょう。
 そんな南北に長いベトナムのシーズン別の観光地の楽しみ方についてご紹介いたします。気候的にはベストシーズンでなくとも、旅の目的によっては「ベストシーズン」となる観光地も一緒にご紹介させていただきます。

<南部観光は日本の冬の季節がベストシーズン!>

 ベトナムの南部、特にホーチミン市やメコンデルタを旅するなら、日本の冬、すなわち12月から、1、2月がベストシーズンです。
 南部は12月から4月ごろまでが乾季。乾季は雨が降ることはあっても長雨になったり、大量の雨が降ったりはしません。概ね晴天の日が続きます。
 また気温は12月から1、2月ごろまでであれば最高気温は30度を超えるぐらい。朝晩は25度程度で過ごしやすい季節です。冬であっても屋外プールや海水浴を楽しむことさえできます。ただし、寒い日が続き、気温が朝晩20度を下回る日がまれにあります。
 この季節に南部を観光する目的、それはまさに避寒にあります。寒い北部から南部を訪れる国内観光客も多く見られます。日本は気温0度をくだる日もある寒い季節。暖房のきいた部屋に閉じこもっているよりは、真夏のようなベトナム南部の日差しと気温で鬱屈した気分をリフレッシュするにはもってこいの季節だといえます。
 ホーチミン市では、日中の街歩きは避けて夕方から夜にかけて歩行者天国のグエン・フエ通りを中心に歩いてみてはいかがでしょう?日中は天気が良い分、日差しが強いので、熱中症になりやすいので、街歩きには夕方や夜がおすすめ。ホーチミン市内の夜景を存分に楽しむには2階建バス「ホップ・オン・ホップ・オフ」観光バス!屋根のない2階に乗車して、サイゴン川からの夜風を感じて走るバスから眺める景色は思い出に残るでしょう。
 ホーチミン市からは日帰りで、メコンデルタの川を手漕ぎボートでクルーズできるツアーや、海の色の美しさは望めませんが、ブンタウやファンティエットといったビーチで、リゾート風のコテージやリゾートホテルに泊まってみるのも一興です。街の喧騒を離れてのんびり過ごすことができます。

<中部フエ、ダナン、ホイアンは雨季>

 南北に長いベトナム。南部は乾季ですが、中部は逆にこの時期は雨季の終わりにあたります。雨季と言っても南部と違い、1日の間に1回スコールが降るようなものではなく、なんとなくぐずついた天気が数日続くようなことも多く、観光にきたのに雨模様でがっかりという人も多いのがこの時期の中部です。
 また、ダナンがビーチリゾート!というので、常夏をイメージして冬場でも海水浴を期待していても、ダナンの海は冬ともなるとかなり冷え込みがしますし、海があれているので海水浴はできません。その点は注意が必要です。
 冬場の中部であれば、遺跡観光、世界遺産観光はいかがでしょう?フエにはベトナム最後の王朝、グエン朝のフエ王宮をはじめ、歴代の王の廟を観光できます。空は曇りだったりしても、その往時をしのびつつ王宮をそぞろ歩けば、歴史ロマンにひたることもできます。雨に濡れた王宮の建物もしっとりとした気品を備えているかのようです。王宮も各王廟も日陰は少ないので、日差しの強い中では観光どころでもないので、曇りがちな冬の方がゆったりと観光を楽しめるのではないでしょうか。
 16〜17世紀、日本人町のあったホイアンは今や人気の観光地。天気がよければ国内外の観光客でごった返します。ホイアン市内は車両でなく徒歩での観光がメイン。こちらでも日差しの強い真夏より雨季のほうがゆったり、観光客も少ない街を歩くことができます。ただし雨季でも10、11月ごろは大雨が降る時期ですので、さすがにこの時期のホイアン観光は避けた方が無難です。ホイアンはじめ中部が洪水で観光できなかった!ということになりかねません。
 
<北部は冬、長袖長ズボン、上着が必要>

 南部が雨季と乾季の二季しかありませんが、北部とくにハノイには「四季」があるといわれています。日本人からすると、とても短い春、そして長い夏、秋がちょっぴりあって、寒い冬がある、そんな感じですが、確かに四季が感じられます。
 ハノイの冬は思いのほか寒さが厳しいものがあります。でも寒い日本から来られたら、気温は10度台ですから、それほどの寒さには思わないでしょう。
 年間を通じて北部は曇りがちなのが難。特に冬場は曇りの日が多くなり、こぬか雨がふって肌寒くなります。実は、こういう日が続くと、ハノイの人たちは新年が近いことを知ります。ですので、ウキウキと新年を迎えるための準備にいそしみます。
 ベトナムでは、正月は新暦ではなく旧暦でお祝いします。毎年1月末から2月初旬の旧暦正月、ベトナム語でテトがやってきます。テトの最中に滞在しても休みの店やレストランが多く、滞在に支障をきたしますが、その前後であれば、逆にテト、旧正月の雰囲気を味わうことができます。
 ハノイでは桃の花や橘に似たクィットという柑橘系の実の鉢植えを求め、家に飾ります。街のあちこちに花市がたちます。どんよりと曇った空にピンク色の桃の花やオレンジ色に染まったクィットの実が映えます。
 旧正月後、旧暦15日、元宵節を前後にベトナム北部ではいくつものお祭りが開かれます。民族学的な興味をもたれる方はこの時期にベトナム北部を旅すると、普段お目にかかれない、ベトナムの伝統的なお祭りを体験することができます。

 いかがでしたでしょうか。今回は冬に訪れるべきベトナムの観光地をご紹介いたしました。次回は春を予定しています。気候的にベストなだけでなく、観光目的にあったベストの時期にベストなベトナムの観光地を訪れてみてください。

文=新妻東一

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