ハノイの暑気払いにはうってつけ!ハノイのビアホール「ビアホイ」のご紹介

 毎日暑い日が続きますねぇ。暑い夏はやっぱりビール!仕事帰りにビールでのどを潤すと、ああ、このいっぱいののど越しのために今日1日働いてきたんだなぁ、えらいぞ自分、と自分自身をほめてやりたくなります。

 キリンビールの2023年の調べでは、2022年国別ビール消費量において、ベトナムは年間528.0万リットルを消費し、なんと世界第7位!日本は429.4万リットルで10位ですから、日本をしのぐ量を、そのお腹の中におさめてしまっているのです。

 そんなベトナムの首都ハノイでは、仕事帰りにお父さんたちが立ち寄るのがビアホール「ビアホイ」です。

 ビアホイとは、ベトナム語で加熱処理で酵母を殺していないビール、すなわち生ビールのこと。酵母が生きていますので、時間がたつにつれて発酵がすすみ、酸味を感じるようになってしまいます。ですからお客さんが毎日つめかける店ほどビールがフレッシュと言われ、さらに多くのお父さんたちが集うことになります。

 気泡の入った「質の悪い」薄緑色の330mlのグラスにふちいっぱいまでビールの入ったそれを、モッ、ハイ、バー、ゾー(1、2、3、ヨー)の掛け声とともに次々とのみほします。

 ハノイのほとんどのビアホイ店ではビアホイ1杯15,000ドン、約90円と一般の缶ビール、瓶ビールを店でいくのと違い、格安です。以前はアルコール度数が表示されているものより実際低いのでは?と思わせるような粗悪品も出回ったことがありましたが、今は品質も改善されており、何倍飲んでも酔っ払わない、などということもなくなりました。

 ビアホイ店を紹介しながら、ビアホイでの店の楽しみ方をご紹介いたしましょう。

日本料理店が立ち並ぶファン・ケー・ビン通りにある「ビア・ハイソム」

 わたしが気の置けない友人とビールをともにするのが、ここ。日本料理店も集積するファン・ケー・ビン通りにあるビア・ハイソム。実はビア・ハイソムはハノイ市内に9店舗もチェーン展開するビアホイ店。いずれの店も大人気です。

 ビアホイはオープンエアにステンレスの机にプラ椅子を並べてあるだけの店が基本です。もちろん店の奥には冷房を効かせた部屋もあることにはありますが、ハノイの夜が多少蒸し暑くとも、冷房のないオープンエア部分でビールを酌み交わすのがハノイっ子の流儀。

 ハイソムとは、主人の名前がハイだから。ソムとは直訳すれば「毛深い、ひげが濃い」という意味。店の主人は若い頃はひげも濃く、髪もフサフサとしていたのでしょうが、今はとみると彼の頭は禿げています。まぁシャレだと思えばいいでしょう。創業1986年のビアホイの老舗です。

 ビアホイはビールの鮮度もさることながら、料理がうまくないと客はよりつきません。味付けは少しだけ濃いめに作られています。ハノイの料理はおおよそ味つけが薄いのが特徴です。日本人の男性によっては「味がない」とのたまう方もおられるほどです。

 しかしビアホイの料理はビールに合わせて、少し濃いめの味付けになっているので、日本人のお父さんにもご満足のいただける味だと思います。

店名:ビア・ハイソム Bia Hải Xồm
所在地:5 P. Phan Kế Bính, Hà Nội
電話:0886700800
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/JHx8PmAoAnozjZYz8

西湖(ホータイ)湖畔にあるビアホイ/クオンホイ・ビア・レストラン

 ハノイは湖の多い街。市の中心部にはホアンキエム湖、市の北側には西の湖、ホータイがあります。ホアンキエム湖は日本人からすると池程度の大きさですが、ホータイ湖は周囲20 kmもある、大きな湖です。フランス植民地時代には、グラン・ラック=大きな湖の名で知られていました。

 湖畔は湖水があるせいか、夏でも涼しく、湖の周囲には多くのカフェやレストラン、ビアホイが立ち並んでいます。ビア・クオンホイもそのひとつ。

 ビアホイはオープンエアの店が基本ですが、自然のエアコンのある湖畔のビアホイがベトナム人のお父さんたちにも人気となっています。

 ビアホイの店のテーブルの上には、袋入りのピーナッツや、ネムチュアと呼ばれるベトナムソーセージがおいてあります。袋や皮を剥くと料金が発生する仕組みです。食べたくないときにはそのままおいておけばチャージされません。

 ビールが出てきたのに、なにかつまみが欲しい、料理が出てくるまでには多少時間がありますから、袋をあけてピーナッツをつまむことになります。

 私がビアホイメニューで頼む頻度が高いのは、あさりの酒蒸し、ならぬ、レモングラス蒸しです。大きめなあさりをレモングラスで茹でたものですが、これが絶品でビールにもあいます。

 ベトナムに来られたら、ぜひあさりの酒蒸しをお試しください。

店名:ビア・クオンホイ Bia Cường Hói
所在地:1 P. Trích Sài, Hà Nội
電話:02437282621
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/PQyewFq6th5AJNbb9

ビアホイ・サムライ?! 日本人が出資して経営、メニューも日本語のビアホイ

 日本人が経営するビアホイです。ビアホイはハノイビールから仕入れていますし、価格もローカル店と同じ、料理の味もまさしくビアホイ店ならではのおいしさ。

 ほかと違うのは、日本語のメニューがあり、日本の炭火焼き鳥など、日本でおなじみの居酒屋料理が楽しめること!店員には日本人や日本語のわかるスタッフがいますので、旅行でこられた日本人のお客様でも安心して注文ができます。

 日本ベトナム外交関係樹立50周年の2023年にオープン。ビアホイというハノイの食文化を通じて、日本人とベトナム人が文化交流できる会食の場をとの思いではじめられたお店だそうです。

 ビアホイでお腹がいっぱいになっちゃう、という方にはウイスキー、日本酒、焼酎などの日本のお酒も準備されています。

 このお店でのおすすめはなんといってもやきとりのネギマ!一本の値段がちょっとはりますが、肉が大きいので、串からはずして何人かでわけて食べてもいいでしょう。

 もちろん店の半分はオープンエア、奥にはエアコンの効いたスペースもあります。ベトナム人のお客様といっしょになって、汗をかきつつビアホイを飲みたい方は屋外で、いや、ビアホイの料理の味だけを楽しみたい、という向きにはエアコン付きのお部屋でご賞味ください。

店名:ビアホイ・サムライ BIA HOI SAMURAI
所在地:263 Đ. Thụy Khuê, Hà Nội
電話:0986398581
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/k9rvDtnLRkSXZWAk9

ハノイのビールの歴史は130年!フランス植民地時代にはじまる

 ハノイのビールの歴史は意外と古く、135年の歴史があります。1890年、フランス人のアルフレッド・オンメルによってハノイ市内に設立されたオンメル・ブリューワリーがハノイでのビール生産の最初です。当時はまだベトナム人になじみのある飲み物ではありませんでした。

 当初は労働者30名、1日150リットルを生産するにすぎなかった工場は、1907年の生産規模は7000リットル、 4.25ヘクタールの土地に19棟の工場と4棟の住居をもつ大きな工場になりました。1940年には500万リットルものビールを製造するまでに発展しました。

 1954年、フランス軍はベトナム軍にディエンビエンフーで敗北すると、ビール工場から機械設備は取り外されて、生産は行われなくなりました。

 1957年、ベトナム政府は経済復興政策にもとづいてビール醸造所を復活させ、「ハノイ・ビール工場」として再スタートをきりました。現在、ベトナムビールブランドのひとつ、ハベコ社の前身です。

 そしていまやベトナムのお父さんたちはビアホイのビールを傾け、世界でも有数のビール消費大国に至ったのです。

 いかがでしたか?ハノイのビアホイ。ビアホイに出かける時には最低でも2人以上のグループでどうぞ。一皿の量が半端ないので、食べきれませんのでご注意のほどを!

文=新妻東一

さらに詳細な情報を知りたい場合は
下記よりお問い合わせください。


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新妻東一Sanshin Vietnam JSC マネージングダイレクター

投稿者プロフィール

1962年東京出身。東京外国語大学ベトナム語科卒。貿易商社勤務、繊維製品輸入を担当。2004年ベトナム駐在。2010年テレビ撮影コーディネートと旅行業で起業。

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