年明け以降も続く大型事業への投資
- 2021/03/26
クアンガイ省では現在、43件に対する計12兆7,000億ドン(約635億円相当)の投資が承認されており、またハウザン省では投資総額7,000億ドン(約35億円相当)のハウザン太陽光発電所が稼働を開始した。以下の事業を含む、多くの投資案件が注目を集めている。
クアンガイ省、ダナン市の交通インフラ、農業分野で巨額の出資
クアンガイ省では現在、交通インフラ・農業分野の43事業に対して12兆7,000億ドンの投資が承認されており、今年だけでも交通分野に9,800億ドン(約49 億円相当)、農業分野に6,000億ドン(約30億円相当)の、計1兆5,000億ドン超(約75億円相当)が出資される予定だ。 現在実施されている主な事業には、クアンガイ省~ダナン市間の高速道路建設事業(投資総額約6,635億ドン、約33億円相当)、クアダイ橋建設事業(投資総額2兆2,500億ドン、約113億円相当)などが挙げられる。
ダナン市では、投資総額3兆4,000億ドン(約170億円相当)超のリエンチェウ港建設事業が進められている。事業の第1フェーズでは年間貨物量350~500万トンを目指し、その後、入港可能な船のサイズを、ばら積み貨物船は最大載貨重量10万トン、コンテナ船は最大載貨重量6,000~8,000TEUに拡大していく。
南部で進む日系企業の投資
ベトナム南部では日系企業の投資が増えている。ドンナイ省ではOjitex社(王子グループ100%出資)が6,000万米ドルを投資し、段ボール工場を新設する。年間生産量は7万8,000トンとなる予定だ。現在、同省では日系企業の投資額が48億7,000万米ドル(253事業)に上り、世界第3位となっている。 そして、ビンズオン省へは570億米ドルが日系企業から出資されており、日本は世界トップに立った。電子部品や自動車、鉄鋼分野の事業のほか、東急グループによる交通インフラ事業(投資総額12億米ドル)なども展開されている。
ビンフォック省でも、省人民委員会チャン・トゥエ・ヒエン委員長が日系の大企業だけでなく、中小企業も高く評価しており、オンライン投資促進セミナーを開催し日本企業を積極的に誘致している。 ホーチミン市日本商工会議所の岡田英之会頭は、新型コロナによってサプライチェーンは苦境に立たされているが、ベトナムは感染の抑え込みに成功しており、日系企業から関心が集まっていると見解を述べた。
ハウザン省で日本のエスイーグループが出資した太陽光発電所が稼働開始
3月12日にはハルコム株式会社と日本のエスイーグループの投資によって建設された、ハウザン太陽光発電所が稼働を開始した。同発電所はハウザン省初の太陽光発電所で、投資総額は7,000億ドンである。太陽電池7万9,000枚が利用され、瞬間最大発電量35MWp、年間発電量5万800MWhを誇る。
ハルコム株式会社のグエン・クアン・フアン社長によると、同社は第2発電所建設事業を建設し、瞬間最大発電量を40MWpへ拡大する方針で、省もこの方針を承認している。省人民委員会クエン・バン・ホア委員長は、今後、太陽光発電所の拡大に向け、さらに調査を行っていくとした。
ベトナムは、世界でも数少ない新型コロナの抑え込みに成功している国で、国内外で投資が活発に行われている。交通インフラや電力インフラなどの整備が進むことで、経済規模は今後さらに大きくなっていくだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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