ベトナム、年平均経済成長率8~9%を目指す

ベトナムの経済成長率

引用元:財務省「ベトナム財務情報サイト」

グエン・スアン・フック首相は3月28日、第13回共産党大会決議の周知に向けた全国会議で、2021年~2030年の10か年経済社会開発成長戦略、および2021年~2025年の方針を発表した。その中で、経済成長率について今年は6.0~6.5%、来年は7%、それ以降の年では平均8~9%を達成すると強調した。

今後も高成長を遂げると強調

ドイモイ政策から35年が経ち、ベトナムは飛躍的な発展を遂げたものの、科学技術力や品質、生産性、競争力の面でまだ課題が残っており、経済成長が止まり平均収入が落ち込む可能性もあるとフック首相は述べた。また、環境資源を守り、気候変動問題に対応しながら持続的な開発に取り組まなければならず、加えて、成長戦略の初期段階では新型コロナの拡大が極めて大きく影響するだろうとしている。

これらの課題を挙げた上で、首相はデジタルトランスフォーメーションへの移行、デジタル経済の構築、大規模インフラ開発、国内消費の促進、雇用創出といった改革を推し進めなければならないと掲げた。開発戦略には経済分野で7件、環境分野で4件、計11件の指標が定められており、引き続き高い成長率を達成しなければならないと強調している。

2045年までに先進国、高所得国の仲間入りを目指す

経済成長率の目標を達成するため、フック首相は、開発戦略のテーマを次のように定めている。▽国を発展させたいという強い意欲を持つこと、▽ベトナム人やベトナム文化の力を大いに発揮し、時代の特長を生かすこと、▽人材を活かし、科学技術や創造的革新、デジタルトランスフォーメーションによる迅速かつ持続的な開発を進めること、▽2030年までに製造業の高度化を進めて平均収入を伸ばし、2045年までに先進国、高所得国の仲間入りをすること。

これらを達成するための方策として、首相は以下の3点を掲げた。

1点目は、社会主義市場経済体制を構築して質を高め、土地使用・科学技術の分野を中心に統合・一元化・高度化を図ること。また、市場制度に合わせて人材を活用することや、国家・社会運営の手法を高度化し刷新することである。

2点目は、教育の質を高めて優秀な人材を育成し、創造と革新によって人材と科学技術を包括的に開発していくこと。

3点目は経済・社会インフラのシステムを一元化・高度化し、交通・エネルギー・情報テクノロジー分野のインフラを優先して整備することである。大都市開発や、気候変動対策分野・デジタル分野のインフラを開発を進め、国家データベースの全国一元化を進め、デジタル経済、デジタル社会を創出する。

これらの実施にあたり、首相は中央および地方の各部局に対し、プログラム、計画の策定を求め、実施内容の評価や監査に関する具体的な計画も併せて定めるよう指示をした。

JETROがベトナム統計総局の報告書を基にまとめた資料によると、ベトナムの1人当たり月間平均所得は387万ドン(約170ドル相当、2018年)で、2016年~2018年では実質ベースで年率8.0%増加しており、2014~2016年の6.6%から伸びがさらに加速しているとのことだ。 今回定められた計画では科学技術分野やデジタル分野についても触れられており、時代に即した開発や新たな技術革新も期待される。これまでの勢いで順調に開発が進んでいけば、今後も高い成長率を達成できるだろう。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)

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