竹細工の伝統工芸村に起業し、世界へベトナム伝統工芸を輸出/チュックソンバンブーラタン輸出有限会社

 ベトナムには伝統工芸村と呼ばれる共同体が数多くある。地元で豊富に産出される原料、資材を用いて、伝統的な手工芸品をつくり出す村々のことである。

 ハノイ近郊では、バッチャン陶器村や、ヴァンフック絹織物村がつとに有名だ。農閑期の副業であったり、近郊の都市の需要にこたえたものだったが、ベトナム戦争後は海外に輸出される手工芸品も多くなった。

 素材はイグサ、竹、木材、石、貝殻などの身近で豊富な素材を、親から子へ、子から孫へと伝承された技術によって作られてきたものばかりだ。

 刺しゅう、じゅうたん、木工、銀細工など、様々な手工芸品が古くから伝わった技術で作られている。

 ベトナムでも近代化・現代化が進んでくれば、手工芸品をつくるつくり手も年々少なくなり、伝承で伝わってきた手工芸技術も残念ながら廃れていく。

 ベトナム人の手先の器用さによってつくられた手工芸品はまたベトナムの魅力そのものである。機械化され、大量に生産された安価な製品が世界中を席巻する一方で、手刺しゅうや竹細工など、その手作りの良さが見直されている今、ベトナムの手工芸品をつくる村々、伝統工芸村の伝統を維持、発展させようという努力もなされている。

 今回紹介するチュックソン株式会社は、竹、ラタン、ホテイアオイなどを原料に使ったバスケット、家具、ランプシェード、ガーデニング、壁飾りなどを手づくりで製造し、製品をすべて輸出している。同社の所在地はハノイ市チュオンミー県フーヴィンにあるラタン・竹細工伝統工芸村に位置している。その立地からも同社の背景には、伝統工芸村の伝統に根ざしていることは容易に想像がつくだろう。

 チュックソン・ラタン・竹輸出有限責任会社は2001年にハノイで会社として登記されているが、創業者で代表のグエン・ダン・ティエンがこの事業をはじめたのは1991年のことだそうだ。すでに30年以上が経過している。

 20名の工員、10名の営業マンをかかえ、ベトナム北部を中心にラタン・竹細工の職人は2000名から3000名も組織しているそうだ。

 2021年の売上は200億ベトナムドン(83.3万米ドル相当)であった。輸出100%で、日本向けのほか、米国やポーランド、ドイツといった欧州向けだ。国内向けには販売していない。

 同社は主にバスケット、家具、ランプシェード、園芸、壁飾りを生産している。

 バスケットは様々な編み込み方で作られている。あるものは少数民族が背負う竹籠のような柄が施されていたり、ラタンのものは密に織り込まれたものや、涼しげに感覚を開けた編み込み方をしているものもある。

 形状も円筒形や立方体、取っ手の取り付け方も様々で同社のカタログを見ているのも楽しい。伝統的な細工だが、デザインは現代的に洗練されている。色使いもおしゃれだ。客先からのデザインの要望を受けてつくるだけだと担当者はいうが、いかに買手が求めるデザインがあったとしても、それを実際の型に起こす生産者や職人たちが優れた目と腕を持っていなければ作りえないだろう。商品の数々を見てそう感じる。

 ランプシェードも円形や円筒形、あるいは巻貝の殻のような形状をしているものもある。実際に電球を灯して、そこから優しく漏れる光を楽しむのだろう。天然の素材ならではの美しさがある。

 ラタン製のスツールや壁掛けのミラーの縁取りにラタンを使用したデザインも楽しい。瞳を象った壁掛けミラーはちょっとした部屋のアクセントにもなる。

 素材が竹、ラタン、シーグラス、ホテイアオイと多様であることも同社の特徴だ。現代では屋内で使用する日用品雑貨はともするとプラスチック素材の、チープだが、壊れにくいものになりがちだ。ただ化石燃料から作られる商品を選択すれば、それが廃棄されれば、埋め立てても、海へ流れでても厄介なゴミになってしまう。燃やせば二酸化炭素が発生し、地球上の二酸化炭素量の増加へと繋がってしまう。

 天然の草や気の素材を選択すれば、それは地球上に元々あった二酸化炭素を吸収して出来上がったものであり、それは土に還せば分解するし、焼却したとしても二酸化炭素の量が増えるわけではない。購入の際に消費者一人ひとりが、プラスチックの素材を選ぶのか、あるいは天然の素材を選択するのかで、未来の地球環境に対する影響は大きく違ってくるだろう。

 もちろんプラスチック素材よりも天然素材の日用品の方が私たちの居住空間によりうるおいをもたらす効果もある。

 ただ天然素材、特に竹やラタンなどは湿気を帯びるとカビなどが発生しやすいことも悩みだ。同社の製品はカビを防止する処理が施されているので、その心配はないという。またそうでなければ輸出もできまい。

 対日向けには主に飴の梱包材を大量に輸出しているという。竹細工の梱包材だという。丁寧に作られた竹細工なら、飴を食べ終えた後も、ちょっとした小物入れとして使われているかもしれない。

 同社は主にベトナム北部の、細工や素材の異なる産地といくつも関係を持っているので、買手の要望に応じて、その要望に適した素材とデザインにも対応できるという。こうした天然素材の雑貨製品の輸入販売を検討されている日本の業者の皆さんにはチュックソン社を、その仕入れ先のひとつとして検討してみてはいかがだろうか?

チュックソンバンブーラタン輸出有限会社
CHUC SON BAMBOO RATTAN EXPORT COMPANY LIMITED

プロフィール

2001年ハノイ市チュオンミー県に設立、主に竹、ラタン、シーグラス、ホテイアオイを素材とした手編み細工のバスケットや家具、壁飾りなどを生産、米国、欧州、日本向けに輸出している。年商は200億ベトナムドン(1.1億円)。輸出100%。

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