農業分野のさらなる成長に向け農業・農村開発省がワーキンググループを立ち上げ
- 2021/08/26
新型コロナにより農業分野が苦境に立たされている中、年内も成長を維持するための方策を農業・農村開発省のPhung Duc Tien(フン・ドゥック・ティエン)副大臣が掲げた。
ワーキンググループの役割
農業分野は新型コロナ、とりわけ第4波によって深刻な影響を受けたが、積極的にシナリオを構築し、実行することで、今年の年初7か月は非常に励みになる結果を得られたとティエン副大臣は述べた。上半期の成長率は前年比で+3.82%に達し、この10年間で最も高い水準となった。加えて、年初7か月の農産物の輸出額は286億米ドルとなり、39億米ドルの黒字となっている。
首相の指導を実行するため、農業・農村開発省は北部と南部で2つのワーキンググループを立ち上げた。当時、ドンタップ省・ベンチェー省といった一部の南部の省ではリュウガンやマンゴーの、また、メコンデルタ地域ではエビやナマズの生産量は非常に多かったが、一方でそれを収穫するマンパワーが減っており、加えて物流の滞りや国内の購買力の低下が発生していた。
北部のワーキンググループは企業、業界団体、協同組合、栽培地を仲立ちし、1,000件を超える農産物の生産・販売場所を連携させた。これによって、農産物の販売に関する基本的な課題を解決し、サプライチェーンの分断を防いだ。加えて、新型コロナの状況が落ち着いた際にすぐに収穫作業に移れるよう、種子やたい肥、飼料などの農業資材を流通させていた。最近は、北部の各省が新型コロナを比較的抑えているため、生産量の拡大を促す必要があり、地域の需要に応えながら輸出を行い、また、南部の収穫量不足を補うため備蓄米を用意していくとしている。
年内の成長維持に向け取り組みを継続
ティエン副大臣は、今後の新型コロナによる影響や野菜・家畜の伝染病、また、台風シーズンに備えて2つのワーキンググループが引き続き生産を強化して成長を維持し、南部の生産不足を補う必要があるとしている。また、連携させた生産者と販売者を結ぶ体制を維持して物流体制を確保し、次の収穫シーズンに向けた農業資材の準備もしなければならないとした。
水産物加工の滞りや、卸売市場・スーパー・ショッピングセンターの営業一時停止、物流関係者に対するワクチン接種の必要性などの課題が発生する中、ティエン副大臣は、基本的な対策の1つとして、ベトナム国家銀行が融資の必要な企業を確認することを挙げた。各企業が備蓄米や水産物、畜産物の購入を強化することで、想定通りの生産体制を展開し、計画を達成できるとしている。また、年内における食料供給不足については、今年の米の収穫量は4,319万トンに増加し、水産物は860トンとなる見込みであり、豚肉の年初7か月の生産量は前年同期比で6.1%増加した。米、野菜、肉、魚ともに不足することはないとしており、すべて需要を満たすことができるとティエン副大臣は断言した。
ベトナムでは、稲作ではメコンデルタ地域、果物では南部の各省が知名度が高く有名ではあるが、北部でも紅河デルタで稲作が展開されており、また、果物の栽培も盛んである。早期の生産体制・物流体制の回復を願うばかりである。(ベトナムニュース邦訳ライター 鶴田 志紀)
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